加工業が大多数を占めるボタン業界にあって、当社は素材である樹脂から製品まで一貫して開発を行う数少ないメーカーのひとつです。1919年(大正8年)の創業以来、早くから直接貿易を通じて、海外に販路を積極拡大するとともに、つねに新しい技術の研究開発、経営の革新に努めてきました。ここから生まれた当社のポリエステル樹脂加工技術は、世界の服飾副資材業界を代表する企業グループとしてファッション業界の振興を支えています。
経済のグローバル化に伴う生産拠点の海外シフトは、ボタン事業のビジネスの流れを一変させています。世界を視野に収めた事業展開、新しい価値の提案が今、求められています。その中でカナセでは、年間三千点にのぼる新製品の見本帳による提案をはじめ、従来の卸問屋機能を補完する利便性の追求、定番商品(当社の中国子会社生産)と高付加価値商品(国内生産)との振り分け、また婦人物ボタン分野への進出など、従来のボタンメーカーの枠組みを一歩も二歩も超え、新しい役割と機能を提供して行くことに未来を見出そうとしています。